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最近新しく、森林環境税が追加されたり、どんどん税金の制度が複雑になってきています。
そんな複雑な税金制度のエキスパート、税理士という職業は聞いたことがある人多いと思います。
ただ、大企業などに対して監査を行う職業、公認会計士について詳しく知っている方は少ないのではないでしょうか。
医師国家資格と並び、日本で一番難しい試験に合格する必要があり、その分高収入が期待できる職業となっています。
公認会計士とは?
さっき、監査を行う職業だと紹介したのですが、監査とは簡単にいうと決算書の中身が正しいかどうか、不正なお金の流れはないか確認する作業となっています。
皆さんがよく知ってるような大企業や株式を上場しているような企業は多くが監査を受けることが国から義務付けられていて、その業務は公認会計士が独占して行うことができます。
大体、財務諸表監査と呼ばれたりするんですが、試験の難易度が高いこともあって、人手が足りていない状態となっています。
じゃあ税理士とはなんの違いがあるのーって疑問に思われると思うんですが、主に個人や個人事業主、中小企業の税務申請の代理を行ったりします。
メインとなるお客さんが違うという感じですね。ただ、公認会計士の資格を持っている人は、税理士登録をすれば、税理士の業務を行えたりします。
0歳~高校生
税理士となるには税理士試験、公認会計士となるには公認会計士試験という国家資格を受験する必要があります。
税理士試験の受験資格は社会科学系の大学や専門を卒業していなくてはならなかったり、日商簿記検定1級必要やったりするんですが、公認会計士試験は年齢学歴国籍に関わらず、誰でも受験はできます。
ただ、社会人としてある一定期間働いていたり、大学院でてたりしてたら、一部試験免除とかで優遇されるようです。
公認会計士試験の公式サイトが最終学歴別の合格人数を発表していて、割合は次のようになっています。
流石に大学在学中の方や大学を卒業した方が8割強を占めていますが、意外と高卒の方も約5%といなくはないです。
一応、同じサイトに学歴別の合格率も掲載されていて、平均は合格率7.7%となっています。
大学在学中の方の合格率が9.8%、高卒の方の合格率が4%とそこまで離れていないので、努力すれば誰でも合格を目指せる国家資格なのではないでしょうか。
このグラフの中に会計専門職大学院があると思うのですが、これは会計をメインに学べる大学院で、大学を卒業したあとより深く会計について学びたい人が入学するようです。
公認会計士試験について
さっき努力すればと言いましたが、具体的には2500~3500時間、2年間平均5時間の勉強が必要だと言われています。
試験範囲も広く、成績上位者から合格していくため、受験者が多くなればなるほど合格するのが難しくなります。
短答式試験っていう一つの正解を選ぶタイプの試験と論文式試験っていう筆記試験の両方に合格する必要があり、短答式試験は合格したけど、論文式の方が何年も合格できない、、、って人も多いようです。
試験内容は税の法律関係やったり、会計のやり方について問われたり色々です。
令和4年第1回短答式財務会計論の問題19はこんな感じで、正解は4らしいです。
研究開発費の会計処理に関する次の記述のうち,正しいものの組合せとして最も適切な 番号を一つ選びなさい。( 8 点)
ア.研究開発費には,人件費を除き,原材料費,固定資産の減価償却費および間接費の配
賦額など研究開発のために費消されたすべての原価が含まれる。
イ.研究開発費の費用処理の方法には,発生時に一般管理費として処理する方法と当期製
造費用として処理する方法がある。
ウ.特定の研究開発目的にのみ使用され,他の目的に使用することのできない機械装置の
取得原価は,取得時の研究開発費として処理する。
エ.企業結合により被取得企業から取得した資産のうち,研究開発活動の途中段階の成果
については,分離して譲渡可能であっても資産として計上してはならない。
1.アイ 2.アウ 3.アエ 4.イウ 5.イエ 6.ウエ
減価償却費とか、一般管理費とか専門用語ゴリゴリに入ってるので、なんも知らん人が見てもよーわからんですね。
合格するまでにかかる費用
この公認会計士試験を受験するには1回19500円必要で、割とかかってきます。
短答式試験だけに合格して、論文式に落ちた場合、次回の短答式試験は2年間免除されるのですが、論文式試験だけ受ける場合も同じく19500円かかってきます。
これだけ難しい試験なので、予備校に通う人も多く、その場合1年半で50万近くかかってきます。
学生ならバイト、社会人なら働きながら予備校の費用を工面する必要があるかもしれません。
公認会計士試験のHPには試験問題や解答例も配布されているので、独学も可能ですが、合格者の約10%が独学だと言われていて、あまりメジャーなやり方ではないかもです。
ただ予備校の費用も高いんで、大学で会計を学べるところなら独学でもいけるかもしれません。
公認会計士?0年目~
無事公認会計士試験に合格したし、バリバリ公認会計士として活躍するぞ!と意気込みたいところですが、正式にはまだ準会員というランクとなっていて、正式に認められてはいません。
準会員から卒業して、正式に公認会計士と名乗るには、実務経験が2年以上、3年間実務補習所に通う必要があります。
(令和5年4月より、実務経験が3年以上に改正されたようです!!!)
大体の人が監査法人という公認会計士がいっぱいいる会社に就職して、実務経験を積みながら、実務補習所に通います。
少数派ですが、税理士法人やコンサルの会社、一般企業に就職して、実務経験を積む方もいます。
監査法人について
日本に監査法人は200数十個あるんですが、最大手の監査法人4つはBIG4と呼ばれ、それぞれ次の通りとなっています。
- EY新日本有限責任監査法人
- 有限責任監査法人トーマツ
- あずさ監査法人
- PwCあらた有限責任監査法人
最初の方で紹介したように、最近は人手不足なので、このBIG4に就職するのは難しくないです。
ただ多少学歴や年齢によるフィルターがあるようです。
EY新日本有限責任監査法人のHPによると、初任給が首都圏だと32万、地方だと317000円と結構もらえるようです。
勤務時間も9時半から17時半でそのうち休憩1時間もらえるので、実働7時間と割と短めな感じがして、かなり美味しい仕事なのではないでしょうか。
実務補習所への通学を優先してくれるようで、そのへんも嬉しいですよね。
実務補習所について
実務補習所は単位制で授業や出席で単位がもらえたり、合宿がある所もあるようです。ちょっと面白そうですよね。
東京・名古屋・大阪・九州など各地に点在しているみたい。
単位を取り切ったら最後に修了考査っていう卒業試験的なものがあって、願書を出した人に対しての合格率は63.8%とちょっと油断できない合格率になっています。
この合格率の数字は日本公認会計士協会さんが載せていたのですが、その下に合格した人の氏名まで載っていて、落ちたら友達とかにばれちゃいそうですね。
一応氏名非公開とかにもできるみたいですけど。
補習所に通うには3年間で27万必要なんですが、大手の監査法人に就職しながら通ってる方は会社が費用を負担してくれることが多いようです。めっちゃいいですね。
あと、言い忘れてたんですが準会員となるには日本公認会計士協会に入会金1万、月額2000~2500円納めなきゃいけないみたい
これも監査法人勤めてたら出してくれるところがほとんどみたいです。
公認会計士1年目~
無事に就職先で下積みを終え、補習所の修了試験も合格すれば、晴れて公認会計士となることができます。
その際に、日本会計士協会に登録を届け出しなければいけないのですが、この時にも登録免許税6万だったり、すでに準会員の方は入会金3万、施設負担金5万などなど、ちまちまお金取られちゃいます。
登録後も月額9500円~10500円取られるんですけど、これも監査法人に勤め続けるのならば、お祝い金として会社が出してくれるようです。
逆に、このタイミングで独立して一人だけでやっていくんだ!という方にはこういった費用を自分で出していく必要があります。
公認会計士3年目~
次のグラフが公認会計士と税理士の年齢別の年収の推移となっています。
令和4年に厚生労働省が行なった賃金構造基本統計調査っていう調査からデータを持ってきたのですが、税理士と公認会計士を一括りにされていて、実際には公認会計士の年収はこれより少し高めとなっています。
20代前半から年収400万を超え、右肩上がりに給与をあげ、最終1000万越えまでたどり着きます。
60代前半にはグッと年収落ちていますが、いうても年収500万貰えていて、全然日本の平均給与を上回っています。
全体としての平均年収は約701万円となっています。
ボーナス額も給与の2、3ヶ月分はもらえていて、嬉しいですよね。
次のグラフは年齢別の労働者数を表しているのですが、40代後半まで働く人が多く、50代に入ると段階的に退職する人が多いようです。
会社の決算前になると会計士や税理士は激務になることが多く、残業も平気であるため、年齢を重ねるごとにしんどくなって辞めちゃう人も多いんだそう。
ただ、残業すればするほど手当がついて稼げることは間違いないので、バリバリ働いてバリバリ稼ぎたい人にとっては向いている職業なのではないでしょうか。
開業するという手もありかもしれません。顧客が確保できて、仕事が軌道に乗れば数千万の年収を目指すことも可能です。
キャリアアップ
年収はこんな感じで上がっていくのですが、社内の会計士にはそれぞれ役職があって、役職が上がると手当がついたり給与が一気に上がったりします。
大体、スタッフ・シニア・マネージャー・パートナーの4種類くらいに分かれていて、実務経験や勤続年数によって昇格したりします。
4年程度働いたら、スタッフからシニアに昇格し、早ければ入社8年目にマネージャーへと昇格できます。
マネージャーになると年収1000万越えの方もちらほら出てきます。
パートナーとなる人は限られていますが、多いのは入社15年経過した人のようです。
年収額も数千万まで跳ね、法人の運営にも口出しできるようになります。
資格は一生涯有効?
税制や法律は結構頻繁に変わったりするので、日本会計士協会がCPEっていう研修を実施しています。
もし単位が取りきれないと、名前を晒されたり、最悪会員の権利を剥奪されたりします。
いうて指定された会計専門誌を読んで感想文を書いたり、研修会に参加すれば単位を取れたりします。
自身の著書を出版することで単位を取得する方法もあるみたい。わんちゃん本が売れたらお金も入ってくるし、ちょっと一石二鳥感ありますよね。
60歳~
退職金に関しての詳しいデータはなかったのでおおよそになってしまうのですが、働いた年数✖️これまで貰った給与の平均の6、7割となるのが一般的のようです。
基本的に勤続年数が長ければ長いほど給与は上がっていくので、平均給与額も上がり、指数関数的にもらえる退職金は増えていきます。
いうて一般企業ともらえる退職金額は変わらんのですが、働いてる間の給与が美味しいので、それを貯金しておけば十分な老後資金にはなるでしょう。
まとめ
公認会計士の一生はこんな感じになります。
一人前になるまでに何回も試験を受けなきゃいけなくて、結構ハードルが高いんですが、なってしまえばCPEさえしっかりとっていれば平均より高い給与を受け取ることができる職業です。
ただ、入社したては勉強することも多く、実務補習所に通わなきゃいけないこともあって、パンクしてしまう人も多いようです。
勉強することが好きで、黙々と一つのことを集中してできる方には向いている職業なのではないでしょうか。
以上となります。なんとなく公認会計士の一生をしれたでしょうか?
最近、医者の一生っていう動画がバズったことに味をしめ、今回も高収入が期待できる職業を紹介したのですが、今後は収入に関係なく面白そうな職業を紹介していくつもりです!!
すでに記事化した、医者の一生やYoutuberの一生、児童相談所相談員とかの一生も紹介しているので、よければ関連記事ご覧ください!
最後までご覧いただきありがとうございました!!
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